市川です。
こんにちは!
はい!Haishakkei Art Award 2015 第4週目を振り返りましょう。
5月30日と31日ですよ!
30日は渋家(読み:シブハウス)から齋藤惠太くんと金藤みなみさんをゲストとして招いたスペシャルトークイベントが開催されました。
拝借景からは松下徹くんと私市川ヂュンが登壇、司会杉本克哉くんのラインナップです。
渋家の齋藤くん
渋家の創設者で、2008年から渋谷を中心にを引っ越しを繰り返しながら活動を継続させており、10年代の現代美術界の若手作家の中では注目すべき一人です。
渋家のメンバーの金藤みなみさん
渋家ではカンファレンス活動を受け持っており、トークイベントや勉強会を企画しています。
渋家は渋谷にある齋藤くんの作品であり、現在30人程度が所属するシェアハウスです。
その活動経歴をみると、大人数での活動と渋谷という土地柄のせいか、様々な出来事というか事件を乗り越え現在に至っていることがわかり、シリアスでスケールの大きなプロジェクトであることがわかります。
齋藤くんはここ数年演劇を学んでおり、演劇的な活動として拝借景をとらえ、いくつか興味深いキーワードを語ってくれました。
「拝借景」が戯曲として機能しているという解釈。
家がありそこに出入りする僕たちがいることで展覧会が行われる、その一連の活動が劇団の活動の構造として理解できる。
そしてその活動を通して、拝借景が家として維持されていること自体が芸術であるという、渋家の主催者らしい意見。
僕はいつも拝借景での活動を考えるときには時間的にも空間的にも限られた範囲でしかイメージできないのですが、彼の俯瞰した視点から拝借景を抽象化し再構成して文脈を作るような作法を目の当たりにし、コンセプチュアルアーティストの凄みを見せられた気がしました。
ものを作る活動をしている僕も彼のような視点で拝借景を扱えたとしたら、今までよりもっと深い部分にアクセス出来るんじゃないか、それを僕の拝借景での活動の目的にするのは魅力的だなと思える話でした。
勉強せねば!
そしてトークは儀式と演劇の話へ。
芸術家は何に向けて作品を作るのか。
儀式のように神に向けて作るのか、それとも演劇のように観客に向けて作るのか。
僕たちは拝借景での活動において、何に向けて作品を作ってきたのでしょうか?
家に向けて?観客に向けて?
僕個人としては拝借景では家に向けて作品を作ってきました。
この態度を維持しながら、同時に観客にも向き合うことは可能なのか?
トークの締めはこれからの活動について、齋藤くんと市川から。
渋家の活動は、主に演劇的な方法論で繁栄、統治の可能性を求めていくとのこと。
同時代の現象との差別化をはかりながらこれまでの活動を強化発展させていくという意思。
渋谷における若い表現者の一種のインフラとしてよりいっそう機能していくんじゃないかとおもいますが、期待しています!
かわって拝借景のこれから。
拝借景を「宿」、私たちを「旅行者」ととらえ直すことで「終わり」を想定することが出来、その「終わり」を作り出す作業に新しい物語の力が必要となる。その物語を作り出す過程においてもう一度拝借景を創造し直していきたい。
いやー対照的な将来像が出てきましたね。
はっきりと渋家と拝借景の差異が見て取れます。
みなさま両者のこれからに期待してください!
齋藤くん、金藤さん、興味深いお話どうもありがとうございました!
いやしかし、トークイベントで話すのが簡単なことではないことが身にしみてわかりました汗。
アーティストが話すこと自体もコンテンツになる時代、もっと内容とスキルを磨く必要を痛感した次第です汗汗汗。
さてトーク終了後はスパゲティとワインで腹を満たします。
食事の最中、小笠原で大きな地震があり拝借景にも久々の身の危険を感じる揺れが。
みんな家の外に逃げる一幕も。
結局作品にも家にもダメージ無し。
ただ、菅田さんの(揺れる)彫刻は長いこと大揺れに揺れ続けていましたww
話は尽きず朝までコース。
気づいたらもうお昼。
美術家の渡辺篤さん、八起さんありがとうございました!
日曜のまったりとした心地よい時間が流れます。
出品作家の中村くんのご両親、そして静岡から中野夫妻がいらっしゃいました!
お土産ありがとうございます!
トークの内容と進行に課題を残したものの、とりあえず肩の荷が下りた僕と杉本くんはこの日ゆっくりとリラックス。
またの機会にリベンジしたいと思います!必ずや!!!!
市川ヂュン
ps
その夜は近所にお住まいのアーティスト平田五郎さんのお手製ハーブ料理をいただきました。